张宇助理教授担当による全8回の授業。2011年に清華大学、2017年にプリンストン大学を卒業した若い先生です。
不動産、金融と私の専門領域ではないですが、中国不動産バブルは弾ける弾けると十数年ずっと言われ続けていますが、まだ弾けていません。そのあたりの、中国不動産バブルの状況をすこしでも理解できたらなと思います。
1.イントロ
1.1中国不動産市場の歴史と沿革
住宅市場は、改革前の①1947~1978年と改革後の②1978~2003年③2003年~の大きく3つの期間に分かれる。
改革前の①1947~1978年は、住房公有&福利分配で国による配給方式、そして所有権、処置権、補修責任はすべて政府に帰属していた。
改革後の②1978~2003年は、1998年の23号事案により、実物配布が停止され、価格に基づき、需要と供給による経済原理を活用した制度へ移行。また、2003年の18号事案により、さならる市場志向へ。
中国GDP全体に占める不動産業界の直接貢献は、13%(2012年)。
2019年の中国トップ500企業の中に、52社の不動産企業が含まれる。恒大5,782憶元、碧桂园5,478憶元。中国サッカー16チームのうち、半数以上が不動産企業に保有されている。一方、アメリカでは、もっとも大きな不動産会社がD.R.Horton1,241憶元で、規模は小さい。
1.2中国不動産市場と海外の比較
持ち家率
中国は、持ち家比率(自有率)が87%と高い。アメリカは、665、日本は61%。さらに教授の研究結果によると、中国の都市生活者のうち、15%は賃貸、70%は持ち家、15%は複数の持ち家。
都市部での不動産税
中国の都市部では、不動産税がない。ただし、上海、重慶はあり。また、70年の土地使用権は、自動更新。更新時の費用は、2-3%の実績があり。ただし、今後、どうなるか不明。北京で不動産税がないのであれば、不動産価格が割高かもしれないが、アメリカで毎年1.5%取られるのであれば、実は北京不動産の方が得かもしれない。
中央政府の介入
2.住宅市場の需要と供給
2-1.住宅価格の決定要因
需要要因;収入、人口、婚姻市場、投資需要、信用貸出
供給要因;不足?過剰?アンバランス?
供給過剰の事例;鄂尔多斯の住宅価格が2年で35%下落。
★宿題:不動産価格サイトで、好きな住宅エリアを選び、全国平均の変動と比較分析を行う。また、その他、気づきをまとめる。