テーマ「行为经济学」
来週は、各班からの発表になるので、今回でこの管理経済学(ミクロ経済学)も終了となります。あっという間の2か月半でした。再来週はテストなので、しっかり復習して、何とか合格するように頑張りたいと思います。
- 先週のアンケート結果(理性测评与博弈问卷)を発表。
- 【偏见陷进(偏見の罠)】。それは、本当は数値の変化に注目せねばならないが、比率の変化を重要視してしまう場合が、頻繁に起こる。”搭售”、4,000元のPCのハードディスク容量が500GBで、+400元足すと、1000GBになる。このような商品を見たときに、消費者は、0元と400元を比較するのではなく、4000元と4400元を比較してしまう。
- 【风险偏好陷进(リスク偏愛の罠)】、別名「前景理论(プロスペクト理論)」。A)3/4:0、1/4:+1000、B)4/4:+250の場合は、Bを選ぶ。C)3/4:0、1/4:‐1000 D)4/4:-250の場合は、Cを選ぶ人が多い。リスク回避が最重要であれば、Dを選ぶはず。プラスとマイナスでは、リスクに対しての考えを変えさせてしまう。
- 【框架效应(Framing Effect)】、同じものでも表現方法で、印象が全く異なるというもの。
- 【损失厌恶(Loss Aversion、損失回避)】、多くの人々は、損失に対して、敏感になってしまう、損失は、利益を得た喜びの2.5倍以上の苦痛となる。Daniel Kahneman, Richard Thaler(ノーベル経済学受賞)
- 収益100万ある株Aと、損失100万ある株が手元にあるとき、90万元の現金が必要なとき、どちらの下部を売るべきか?(売ればともに90万元入ってくる。)多くの人が株Aを選ぶ。これを、“售盈持亏”と呼ぶ。今後リスクが拡大することを考えれば、株Bを売った方が、利益は高い。
- 株の投資において、過去を振り返るのではなく、前の利益、損失を見て、考えるべきである。
- 损失厌恶 の事例。子供が庭で遊ぶと汚くなるので、遊ばせたくない。ゆえに方法を考えた。ある日から庭で遊ぶと10元あげる。1か月続けた後に、庭で遊んでも、10元あげない。すると、子どもは、庭で遊ばなくなった。なぜか?10元もらえない損失は、10元×2.5=25元になるからだ。そして、この子供は、はじめは、自ら庭で遊んでいたのに、お金がもらえないことで、自らの行動を変えてしまった。教授曰く、「不忘初心」。※習近平の有名な言葉。
- 【锚定效应(いかり効果)】、人々は、ある人や物事に対して判断する時に、簡単に第一心証で決めてしまい、その固定された考え方抜けられない。例えば、100元を拾ったとする、それを後から無くしてしまうと、損をした気分にる。例えば、ホテルの価格。同じ価格だったとしても、安い固定価格から値上げされた価格よりも、高い季節価格から値下げされた価格の方が得をした気分になる。
- 【默认选项(オプトイン)】。肝臓提供の許諾で、フランス政府は、免許更新時に、肝臓提供許諾をオプトインとして、肝臓提供者の数を増やした。
- 【统计陷进】。モンティホールの問題。A、B、Cという3つドアの後ろにプレゼントがあり、Aを選択。司会者がBを開けて、何もない。その後に、AかBどちらかを選びなおせるときに、選びなおすかどうか?という問題。これは、Bに選びなおした方が確率が1/3から2/3に上がる。解説はコチラ。
- 【过度自信】。会社の売上に関して、各部門の売上を聞いて、それを足すと実際の売上の3倍近くになる。
- 【理性层级】。2005年ノーベル経済学賞受賞のRobert Aumannが提唱した理性階級の概念。下記画像1参照。
- 以上のようなリスク、錯覚など間違った判断をどのように避けていくのか?まずは、以上のような錯覚、間違いが存在するという認識を持つこと。
- 重要な決定の時は、系统2(システム2)を起動させる。ここでいう系统2は、思考を張りめぐらすため、時間がかかるが、間違える可能性は低い。一方、系统1は、省力で力を使わなく、素早く動き、大きな失敗をすることはないがい、間違える可能性が高い。
- そして、適切な判断ができる余裕を常に持っていること。
- 【承诺战略】。自分の選択を薄めて減らしながら、相手の予測を変えて、相手の行動も変えてしまうことで、自らの利益を獲得するという戦略。
- 香港の返還問題。1898年のイギリスと清政府の租借契約が99年で決定。毛沢東は、どのように処理するかは、後の人達が決めるということにした。そして。1982年鄧小平がイギリスのサッチャー首相と面会。香港の主権および自治権の返還を迫った。
- 承诺战略には、何が必要条件か?①相手のこちらの意図や意思を知らせる事。→人民日報に、中国政府の意向を報道させた②承諾の自信をもつこと③相手の理性④先にリスク管理をしておくこと→良好な中米関係、英vsアルゼンチン戦争など。
- 承诺战略の事例、「項羽と韩信」。そして、日中戦争。日本軍は南北を押さえることも目標としていたが、上海を収めたことにより、南京大虐殺を引き起こし、武漢など東西へ領地を広げていくことに。ただ、この東西といのは、距離も長く、中国の歴史も見ても統治するのが非常に難しい。そして、日本軍は戦略もなく、攻め続けることで、三か月を予定していた日中戦争が拡大し、疲労することで、最終的にはアメリカに負けてしまった。本来であれば、先進国でもない中国を統治する必要はなかったはず。
- 承诺战略のまとめ。自分の選択肢や情報を減らすことで、相手側の行動が明確になり、当初の予定した行動を返させ、自分の利益を取っていく、これが重要である。
最後の承诺战略で、日中戦争が題材になりました。日本のことをネガティブに言っているわけではなく、承诺战略の一つとして取り上げたのだと思いますが、本当は企業の承诺战略も紹介されているとよかったなと思います。。。