選択科目「不動産と金融」Vol.2(2020/5/14)

労働節明けの2回目の授業。

<前回のまとめ>

  1. 高い住宅価格を支える要因;高い収入増加と人口流入の予測、金融市場の低金利、限られた住宅供給
  2. 住宅価格上昇の要因;収入増加と人口増加の予測、投資可能な財の増加、住宅需要と供給の不一致
  3. 黄金の10年(2003-2013年);安価な住宅価格から開始、基本よそくと低金利が住宅価格に対応。住宅価格上昇に伴い、投資可能な財のさならる増加、住宅価格上昇の減速。
  4. 第二の相場(2015-2018年);実体経済のROE低下、企業家の投資が不動産市場へ、一二級都市の住宅価格の2回目の上昇。購入制限政策(限购政策)などの要因により、三四級都市の住宅価格も上昇。住宅価格上昇により、上昇を原則させる方向へ。

<今回の授業>

  • 2015-2018年における住宅価格および限购の外部への影響をみると、住宅価格上昇地区の周辺都市も同様に上昇するが、賃貸価格には影響を与えない。

COVID-19の影響

  • COVID-19の影響は?アメリカでは、新たな売り出される住宅量は大幅に減少しているが、4月下旬において、わずか4%の中古住宅価格が下落したのみ。CARES法案によるローンの一時支払い期限延長などもあり、アメリカ不動産市場に大きな影響を与えていない。
  • COVID-19の住宅需要に対しての影響は、2つある(教授の考え)。一つは、改善型需求。家で過ごさないといけないため、特に子供がいる家庭は、より大きな住宅への要求が高まる。2つ目は、父母陪伴需求。老人は抵抗力がないため、老人ホームではなく、自分たちで暮らせる住宅が必要と思う人が多くなるのでは。
  • COVID-19により、企業の貸出金利が下がったため、その資金を利用して、不動産市場へ投資する企業が深圳で増えたという噂が出た。しかし、調査の結果、そのような行動はなかったとのこと。また、深圳は、普通住宅(144平方メートル)の増値税を2年間徴収しない政策をとっている。すると、144平方メートル以下の住宅価格が上昇するが、その上昇に伴い、144平方メートル以上の住宅も影響を受けて上昇するという現象が現れている。

住宅価格とエリアの関係

  • 单中心区位理论:中心地からの距離が価格を決める。
  • 生活コスト=家賃+通勤コスト
  • Hommer Hoyet扇形理論(Secotr Model)。CBDを中心に扇形状に都市が発展していくという理論(下記図参照)。
  • 不動産投資において、エリアは考慮すべき事項であるのか?都市の環境が改善されれば、賃貸価格も上昇、通勤コストは変わらないので、エリアは投資に影響を与える。一方で、エリアの賃金上昇に伴い、賃貸も上昇、しかし、通勤コストもエリア人口増加などにより快適さが下がることにより上昇、ゆえにエリアは投資に影響を与えない。
  • 都市計画(杭州西溪、中关村など)、商業施設なども影響を与える。
  • ZIPR法則、都市の分布は、人口が集中する少数の大きな都市と、数多くのより小さな都市に分かれる。上位になればなるほどランク間に大きな差がつくようになり、それは一定の規則性に従っている。ただし、中国は、アメリカに比べて、この法則に合わない。そればなぜか?人口流動限制、特定都市の人口規模制限、都市間の競争などが理由である。
  • 都市集中理論;人、産業、物があつまることが最も重要。
  • では、国は大都市の建設を目指していくべきなのか?地下鉄など、規模の経済が働くため、大都市が良いという考えもある一方で、逆の考えもある。
  • 中国の将来の変化は?人口規制をやめるのか?継続するのか?大湾区&长三角&京津冀の堺が消えつつある。溢出效应(Spillover Effect)なのか?それとも虹吸效应(Siphon Effect)や马太效应(Matthew Effect)なのか?Spillover Effectとは、大都市で発展した産業やサービスが周辺都市に流れ込み、周辺都市も同時に発展すること。一方、Siphon Effectとは、大都市の周辺都市が、大都市のために産業やサービスを発展させ、次第にその基盤が周辺都市から大都市に移動し、周辺都市は、大都市を超える都市には発展できないというもの。いずれにせよ、大都市の周辺都市は、優位性を獲得していかねばならない。
  • 上海の周辺都市である昆山は、安価な生産コスト及び流通管理コストを武器に、PCの部品生産に特化した。
  • 不動産価格上昇の土地を予測するのは難しい、ゆえに複数都市に投資を分散させるのが良い。そこで、REITSの登場。
  • エリアとビジネス地区および新地区。中国のショッピングセンターは、拼多多現象が起きている、つまり1、2級都市と3、4級都市では入居店舗が異なる。
  • 新常態の中での不動産業界の方向性。①車社会によるショッピングモール中心②旅行エリア③教育エリア④老人エリア⑤高齢化での都市更新⑥一般の意味での都市更新
  • 事例、マスター・ビルダーと呼ばれ、ニューヨークの都市計画を推進したRobert Moses

Hommer Hoyet扇形理論

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