必須科目「管理経済学」振り返りVol.3(2019/9/21)

第三回目「相互依存性と貿易の利点」

需給に対して、価格が大きく影響を与えるということを、第一回と第二回で学び、第三回目からは、価格以外にも需給に影響を与えるモノは何か?ということが大きなテーマとなりました。

そこで、取り上げられたのが、米中貿易戦争です。 なぜ、米中貿易戦争が起きたのか背景などを紹介。

  • 中国のGDPは、2010年に日本を越えて、世界2位の経済大国へ。2018年、アメリカ20.51、中国13.46、日本5.07(単位trillionドル)
  • 日本は、1985年プラザ合意を得て円高になり、1995年には、GDPがアメリカの71%まで迫る。しかし、それは円高になり、金が不動産や株に回り、バブルとなっていただけ。そのあと、経済は停滞する。
  • 中国は、日本と同じ道をたどるのか?
  • 中国は、2020「全面建成小康社会」2035「基本実現現代化」2050「現実中華民族偉大復興中国夢」を掲げている。
  • これらの詳細は分からないところがあるので、GDPで見てみる。
  • 2019年の成長率予測は、6.4%。ただ、2019年4-6月は、6.2%と下落。2017年から2019年まで、貨幣のうごきを眺めてみると、M1(当座預金)は下落、M2(定期預金)は徐々に上昇。投資活動が少なくなり、銀行に預けられている。おそらく、経済成長率は1%下落するだろう。
  • では、中国のGDPがアメリカを越えるのはいつだろう?中国の成長率が、4%、5%、6%。一方、アメリカが2%で毎年増えたとすると。。。
  • 4%:2040年、5%:2033年、6%:2029年となる。2035年 「基本実現現代化」 の大きな目標の一つは、世界一の経済大国になることだろう。
  • とはいえ、一人当たりのGDPでみると、アメリカを越えるのは難しい。 同じように、中国の成長率が、4%、5%、6%。一方、アメリカが2%で毎年増えたとすると、一人当たりのGDPのアメリカ対比は、2050年時点で 、4%:29%、5%:39%、6%:53%。
  • いずれにせよ、2050年は、中国および世界にとっても大切な節目となるだろう。その準備を中国人はしなければならない。

これをふまえて、具体的な貿易戦争の話へ。

  • 2017年4月、トランプ大統領の招待で、習近平がトランプ邸宅へ。ここでは、大変仲が良いことをマスコミにアピール。そして、アメリカの対中国貿易赤字を減らすための議論を100日間の行う計画を合意する。
  • 2017年11月、今度は、トランプ大統領が北京へ訪問。2,530憶ドルの経済協力を合意。
  • しかし、2018年1月にトランプ大統領は、海外生産のソーラーパネルに対して、30%の関税をかけることを決定。そして、2018年3月には、輸入の鉄鋼、アルミニウムに関して、それぞれ25%と15%の関税をかけることを決定。
  • 結果、2018年7月時点で、アメリカと中国は、それぞれに国から輸入される50憶ドル分の品物に関して、お互い25%の関税をかけることを決定。
  • さらに関税競争はヒートアップ。アメリカは、あらたに、2,000憶ドル分に対して、中国は、600憶ドル分の品物に対して、10%の追加関税をかけることに。
  • ただ、中国は、アメリカからの輸入品は多くないので、関税対象額はアメリカよりも小さくなってしまう。
  • アメリカからの交渉団長は、80年代の日米貿易交渉を担当者し、ドナルド・レーガン政権でのアメリカ合衆国通商代表次席代表で、トランプ政権の通商代表であるLighthizer。彼は、国際貿易の法律を専門家にした弁護士。そして、彼が率いる交渉団も、当時のメンバーが参加。
  • アメリカからの要求は、中国政府による各産業への大規模な補助政策の中止、強制的な技術移転の改革、知的財産権の保護、人民元の自由化、市場経済の導入、アメリカ機関の調査受け入れなど。
  • アメリカの貿易戦争の目的は何だろうか?考えられるのは、下記3つ。
  • ①中国発展の抑制 ②貿易不均衡の解消(=貿易赤字の解消) ③ブルーワーカーの就職機会の創出
  • では、貿易赤字は悪いことなのか?アメリカは、2017年で中国の貿易赤字が3,370憶ドル。一方、中国以外の各国の赤字を足し上げても、1,930憶ドル。圧倒的に、中国貿易で赤字を出しているのだ。
  • ただ、日米貿易のころとは、現代の貿易は様相が異なる。今は、中間品が多い。たとえば、iphone。部品を世界各国から集めて、中国で組み立てて、アメリカに輸出する。そのような中間品が多いのである。
  • 中国は為替操作国なのだろうか?そうではない、経済が調子よければ、通貨は向上するし、経済が悪ければ、通貨は下落する。今は、経済が悪いから、元が下落しているに過ぎない。
  • アメリカのブルーワーカーは、給料があがっておらず、どんどん職を奪われている。
  • かなり複雑な貿易形態となっている中で、関税によって、アメリカが願う貿易赤字を解消できるのか?

ということで、 関税が与える影響の説明に入っていきます。関税などにより、失われる経済損失をdeadweigh lossと呼びます。この米中貿易戦争は、このdeadweight lossが大きくなるだけで、消費者が損して終わるのでは?ということでした。この米中貿易の結末、楽しみですね。。。

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